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相変わらずワカラン被曝量 [原発]

さて、本ブログにとっては画期的な来客の嵐も過ぎ去り、再び独り言的備忘録モードに帰るのである。

で、何度も何度もわからんわからんと言っている放射線被曝の問題を蒸し返す。

今回の原発事故については、原子力問題にも詳しいという武田邦彦氏がさかんにブログで情報を発信しており、それなりに評価を得ているようでもある。で、このエントリーでは子供の被曝量には十分注意すべきであるという、しごく真っ当なことを言っているのだが、細部で若干引っかかる部分もある。

彼は次のようなことを言っているのである(適宜意訳のうえ要約)。

これまで政府は一般人の年間被曝限度量を1ミリシーベルトにしていた。なぜか? それは年間被曝量1ミリシーベルトだと、その影響でガンになるのは人口10万人あたり5人ていど。それぐらいなら「我慢ができる」と政府が考えたからである。

ん? そうなのか? 年間1ミリでガンが5人増えるというデータは本当にあるのか? 彼のこの文章には「年間被曝量100ミリシーベルトでガンになる確率は0.5パーセント増える=10万人中500人がガン」という例の話が載っていて、読む限りでは「この100ミリの100分の1だから、ガンになるのも100分の1=5人」という比例関係の存在が暗黙の前提となっているようだ。

だが、俺のニワカ勉強によれば、こういうことではなかったか?

「年間100ミリになるとガンになる率は0.5パーセント上がる。100ミリ以上ではこの関係は比例しており、つまり100ミリ増えるごとに確率は0.5パーセントずつ上がっていく」

「ただし年間100ミリ未満の場合、現時点では健康に影響がでるというデータは確認されていない。ひょっとしたら、50ミリ=ガン確率0.25パーセント増みたいな比例関係が成り立つのもかしれないが、今のところはわからない。あるいは何か閾値があって、何ミリシーベルト以下なら影響は出ない、というようなことがあるのかもしれない」

あるいは俺の読んだ資料が古くて、「比例関係がある」というのは実証されていたのか?

それからまたまた繰り返すことになってしまうが、「ブラジル・ガラパリでは年間の自然被曝量10ミリシーベルト、しかし健康被害ナシ」という、例の話はどうなってしまうのだろう? いつまでたってもこのナゾがとけない。

というわけで、武田氏のように「じゃぁ子供は大丈夫なのかい?」的な視点は重要だとは思うのだが、基本はわれわれ国民ひとりひとりが状況を正確に理解し、最終的には自分の判断で行動を律することだと思うので、その点、「年間0~100ミリシーベルトでも健康被害は明らかに生じる」というような話があれば、俺を含めて多くの人間にとって未知の重要な情報なのでハッキリソースとともに示していただきたいわけであり、つまりはこういう社会的影響力の大きい人には過不足なく、誤解を与えぬ正確な議論を展開していただきたいと思うのである。


【4月26日追記】

というようなことを書いていたら、すでに武田氏の発言内容についてツッコミを入れておられる方がいた。NATROM氏の「武田邦彦氏の過去の発言を検証してみる」で、このひと3.11以前はけっこう原発肯定的だったのに、何か最近言うこと違ってネ?といったことなどを書いておられる。

で、NATROM氏は、放射線による障害について、武田氏はさいしょ「閾値あり」仮説をとっていたのに、いつのまにか「閾値なし」仮説に転じてしまったことを指摘している。つまり、「これこれの数値以下なら何にも問題ないからね~」説から、「いや、いくら微少とはいえゼロでないかぎり放射線の影響はアルのだ!!」説に転じている、と。

ま、考えを改めるのは結構なんだけれども、じゃあその「転向」はいかなる事情によるものか、どんなデータに拠るものなのか、そのあたりはヤッパリ科学者を名乗る以上、キッチリ語ってほしいなぁ



タグ:被曝

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