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苦役列車 [身辺雑記]

芥川賞をとった西村賢太「苦役列車」を文芸春秋で読んでみた。

発表会見で「これからフーゾクいこうと思ってた」とかいって笑わせてくれた、むさい風貌の五十前の作家である。

よかった。いわゆる私小説。ほとんど実体験を踏まえているらしいのだが、中卒はたち前フリーターのダメダメな毎日を描いている。たしかに主人公はどーしようもない「ダメ男」である。

けれどもここで描かれているズルサとか醜さとか攻撃性とか小心さとか、これはもう普遍的に人間にあるものであって、「俺にはない」「私にはない」なんて、誰にもいわせないッ(笑)。たまさかエーとこの生まれだったりして、そういう身も蓋もない醜さをさらさなくても世の中わたっていける人はいるにしても。で、笑える。せこくて滑稽で。自分にも覚えがあるぶん。

たぶん、こうやって自分を客観視して書くことができたから、この人は「浮かばれた」んだなーと思った。よかった。

さて、たまたま今回同時受賞の朝吹真理子というのはインテリ文化人一家のサラブレッド的人物。高尚である。しかも若い。しかもけっこうきれい。なんとも皮肉である。ちなみに彼女の「きことわ」というのは、最初の数行で読むのをやめた(笑)。 


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