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エジプトで「クーデター」 [NEWS]

さて、エジプトのムルシ大統領が軍部のクーデターでその地位を追われたというニュースである。

ムルシ氏というのは、アラブ世界での民主主義がドミノ倒し的にすすんだ、いわゆる「アラブの春」の流れにのって実現した「エジプト革命」の、その成果としての民選大統領である。たとえ政治的手腕がボロボロで国民に怨嗟の声が充ち満ちていたとしても、軍部が出てきて政権をひっくり返すのはよろしくない、民主化への逆行だ、と憤ってみせるのがとりあえずのメディア的「お約束」であるらしい。

ただちょっとひっかかるのだ。「政治に口を出す軍部=悪」みたいなステレオタイプはこの場合適当なのかという思いもある。もちろん選挙で成立した政権を武力で壊す、というのは全然民主的ではないワケで、日本の歴史など振り返ってみても「まずいだろ!」というのは、とりあえず「正しい」。

ただトルコなんかもそうなんだが、もともとイスラム的な価値観が支配していたムスリムの国にあって、「いや、これからはそういうシバリで何でも律するのはダメだから、もっと世俗的な価値観も大事にした近代国家を作っていこうや」という話になったときに「軍部」というのは頼りになる存在であって、事実エジプトでも軍部はそういう近代的価値の擁護者でもあったのだ。

ムルシだってもともとは「ムスリム同胞団」から出てきた人物で、「ベールかぶれ」だ何だのと言いたがるイスラム団体が(良いか悪いかはしらんが)「近代化」への抑圧勢力であるという一面があるのも確かなのだから、みんなが文句いいたくても言いにくいところでガツンと意思表明する軍部を単純な悪と断ずるのはどうか。

よその国にはその国なりの事情もある。単純に「正義対悪」みたいな図式をもちだすことには慎重でありたい。

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