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今回も朝日を褒めてやろう [天声人語]

天声人語はバカらしくて最近あんまり読んでない。しかし朝日新聞、腐っても鯛で、たまにオッと思わせる記事も出ている。本当に朝日は天声人語で損をしているナ(笑)。

最近感心したのは、まず、これ。

ブラック企業と呼ぶ意義 提唱者の一人、今野晴貴と探る

昨日の文化面だったと記憶するが、この日本の社会状況を抉り出す社会科学的(風?)キーワードとして「ブラック企業」という言葉を捉え直し、今野晴貴氏に話を聞いてこようと考えた塩倉裕記者のセンスはとてもよい。ネット上ではカネを払わんと全部読めないのが残念であるが、つまり、最近の若者はマトモな職もなく可哀想な状況に置かれているんだが、「けっきょく連中はこらえ性もなくてすぐ会社辞めちまうし、自業自得よ」みたいなステレオタイプもいぜんとしてあって、つまりは何か全てを精神論のレベルに落とし込もうという潮流があるのに対して、「いや違うよ、こういう時代に生きる若者の立場の弱さにつけこんで跋扈してる悪い連中がいるんだよ、これ社会問題だよ」という指摘をしているのである。

ちなみに、およそ世間にはびこる世代論というのはほとんどインチキであって、まぁその辺は「俗流若者論」批判の後藤和智氏あたりの議論が参考になるけれども、オレのみるところ、強いて説得力のある議論があるとすれば、それは「団塊の世代は危ない世代だ」という説で、たとえば他と比べると犯罪を起こす率が高く、近年になって急に「キレる暴走老人」が急増したという話もそういう文脈で考えるべきなのである。

閑話休題。最近の朝日でもうひとつ感心したのがあって、

(インタビュー)刑務所から見えるもの 犯罪学者・浜井浩一さん

これも確か昨日の朝刊オピニオン面。ネットの記事は例によってカネを払わんと最後までよめず、読める範囲ではインタビュアーの名前が確認できんのだが、確か女性だったような気がするなあ。現物を引っ張り出して確認するのも面倒なのでその件は措いておこう。

さて、浜井氏は以前から「日本の治安は全然悪化していない、とゆーかここ数十年についていえば悪化したことなんかない、年々良くなってる(笑)」とゆー議論を一貫して展開してきた人で、つまりファクトに基づいた話のできる正論の人である。

で、今回のは、最近の日本の刑務所には再犯のジジイみたいなのが大量に入ってきているんだが、今の日本では生きるすべをうまく見つけられないそういうジジイたちをすくい上げるシステムがなくなってきちまってんじゃねえの、だから刑務所はジジイで満杯という状況が生まれてんじゃねえの?という議論を展開している。

ついでに、北大の山岸俊男氏の議論を援用して、「日本で犯罪が少ないのは結局となり三軒両隣とゆーか隣組とゆーか、そういう世間の目を気にして生きてきた相互監視体制が機能してきた結果であり、これからはそういうのも機能しづらくなっていくんじゃねーか、こっからが考え時だよネ」という話も展開している。これも実に良い視点である(なおここまでの内容要約はオレ流に意訳しているので誤解なきように。本当にこんな下品な言い方をしているわけではないw)。

とゆーわけで、「魚は頭から腐る」という言葉もあるので、こういった良い記事を書いた記者さんたちは、決して天声人語子のような記者にならぬよう心がけつつ精進されたい(とエラソーに言っておく)。


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