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田中角栄をもちあげる天声人語 [天声人語]

このあいだ天声人語がクリスマスをネタにしていたので、「それはちょっと違うんではないか、朝日新聞にはクリスチャンから抗議が殺到しているのではないか」ということを書いたのだが、そのご、Google先生で「天声人語 クリスマス」と検索してみたところ、アレッ誰も批判なんかしてねーやオレ以外(笑)。

なるほどー、世のクリスチャンの方々は実に人間ができていらっしゃるのだなぁ~と思う。そういえば聖書にもこう書いてあったな。

あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい(マタイによる福音書5章38~39節)

クリスチャンが別に気にしないでいいというのなら、別にオレがいきり立っても仕方ないのだろう。釜ケ崎で頑張ってる本田哲郎神父とか聖書学の田川建三氏みたいな、ナアナアが嫌いなキリスト者も多いんじゃないかなーとか思ったんだが。むなしい一人芝居。ちょっぴり孤独(笑)。ま、いーや、どーせチラ裏ブログなんだし。気にしないで次いってみよー(笑)。



さて、本日の天声人語は、例によって「最近の日本の政治家は小物ばっかりだなー」というオハナシである。つまり、むかしむかし、「コンピューター付きブルドーザー」「今太閤」などと呼ばれた田中角栄という政治家がいたのだが、彼は官僚の思惑などものかは、当時の大平外相と組んで「政治主導」で日中国交回復を成し遂げましたパチパチ、と。ところが最近の政治家は小物ばっかで何にもできねーじゃねーか、情けねえナアと嘆いておられる。最後はこんな風にしめている。

(いまの)日本には田中も大平もいない。二回り小粒で、のべつ交代している首相と外相がいるだけだ。政治を見限った官僚たちの中には、妙に活気づく者もいる▼大衆人気を誇った田中首相も、狂乱物価と金脈批判で退陣に追い込まれた。そしてロッキード事件。それでも2年前の本紙調査では、戦後首相の一番人気である。前に進まない政治は「小粒」だけの責任ではないのだが、強烈なリーダーシップへの郷愁は理屈抜きらしい。

うーん、相変わらずバカだね。

そもそも田中角栄にこういう力業ができたのは何故か。言うまでもない、究極的にはカネの力だろう。公共事業をはじめ利権絡みの話には必ず顔をつっこんでカネを稼ぐ。で、子分たちに配っては忠誠を誓わせる。カネの力が「数の力」に転じ、たとえ金脈問題やロッキード事件で叩かれたって屁のカッパの闇将軍。こういう人間だからこそ、ムリを承知の力業だって可能になるのだ。しかし朝日新聞さんは頑強に、イヤ駄目だ、政界浄化しないといかん、こういう田中金脈政治はいかん、って、もう40年間言い続けてきたんじゃなかったか? 「仮に政治主導で何かやってくれる力はあるとしてもだな、こういうダーティーな男に勝手にやらせておくわけにいかんのだ」と怒っていたんじゃないのか? それがどうだ、いまになって「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」(by鄧小平)ですか? 

ただ、「いやオレ自身は必ずしも角栄全肯定じゃないんだからネ」とさりげなくエクスキューズをしているのだな、この男。この辺が実に小ずるいというかコスイ。つまり「2年前の本紙調査では、戦後首相の一番人気である」「強烈なリーダーシップへの郷愁は理屈抜きらしい」とか書いているのは、つまり「大衆の皆さんが角栄みたいな人物を待ち望んでるんだよね。オレはそこまでは言わんけど、ま、その気持ちわからんでもないねー」みたいにして自分を高みに置いて、逃げ道を作っているのである。

だいたい「ともかくああいう金権政治は良くない、何があっても」というここまでの朝日の主張は、つまり、「カネの力とかに左右されず国民ひとりひとりが自分の頭で考えて政治に参画していく清く正しい民主主義を作っていきましょうよ。そりゃ有能な一部の人間に政治を任せて、それこそ独裁みたいにして勝手気ままにやってもらった方が効率は良いだろうし、思い切った改革とかもできるかもしれない。でもそういうのは裏目に出たら最悪だし、やっぱり俺たちは効率悪いけどああだこうだ言い合いながら政治を進めてく民主主義でいくっきゃないんだよ」という意志表明であったハズなのだ。

そういう「理想」みたいなものを持つこと自体は別に悪いことじゃないのだが、その「理想」がうまくいかないからって、こういう風に変に斜に構えて毒づくのは如何なものか。歯を食いしばって「うまくいかないことがあっても、これは民主主義のコストだよね」って言うべきじゃないのか。何をいまさら偉そうなことをいっているのか。



【追記】
そのご、いろいろとネット上を徘徊していたら、朝日新聞の「お問い合わせフォーム」というのを見つけた。凡例として

件名をご記入ください(例:○月△日の天声人語について、など)

みたいなことが書いてあったから、おっとコイツは面白いぞ、ブログに書いたことコピペして送りつけてみっか、と一瞬思ったのだが、よくよく読むと「弊社からの回答内容を転用、二次利用することは固くお断り致します」って書いてある。なるほどブログとかに転載してツッコミいれたりして遊ぶのはいけないんだ。残念。

我が国の言論を担う自称クオリティ・ペーパー(笑)なんだから、そんなセコイこと言わないで「開かれた言論」を実践して欲しかったンだが、意外に(?)ケツの穴は小さいな。


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