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川越シェフ騒動に思ふ [NEWS]

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テレビとかで有名な川越シェフが、ブログが炎上して謝罪に追い込まれたらしい。チマタの芸能ニュースなどによると、雑誌のインタビューにこたえて「問題発言」をやらかしたのがきっかけ、とのこと。「日刊サイゾー」のサイトにその記事がまだ載っているから引用しておく。

――では、「食べログ」のような評価サイトのことをどう思われますか?
川越 くだらないです(即答)。僕は興味もないし、何をわかって書いてるの? と思いますね。人を年収で判断してはいけないと思いますが、年収300万円、400万円の人が高級店に行って批判を書き込むこともあると思うんです。
  (中略)
僕の店も「水だけで800円も取られた」と非難されることがある。でも、当たり前だよ! いい水出してるんだもん。1000円や1500円取るお店だってありますよ。そういうお店に行ったことがないから「800円取られた」という感覚になるんですよ。


とまぁ、こういうわけで、オレが平たく言い換えると「貧乏人の舌じゃオレの料理なんかわかるわけねーんだYO。食べログでオレの店に渋い点つけやがってコノ野郎。水が800円もする~とかいって驚く貧乏人にはオレの店に来て欲しくねえんだよッ!」という発言なのであった。

すると、全国の低所得者が「何をいってやがるッ!」と猛反発。最終的に川越シェフ、6月23日に自分のブログで「この度は全国の皆様に不快感、そしてご迷惑をお掛けしてしまい、心より反省いたしております」という、いったい何をどう反省しているのかよくわからない発言をして、いちおう幕引きとなりました、という次第。

で、いろいろ思うことがあるので記しておこう。

まず、川越シェフは謝らなくていい、ような気がする。なぜかというと、彼の「そんな貧乏人ども相手にしてねーよ」というセリフはホンネだと思うから。彼の店というのがどういう料理店かは全然知らんが、たぶん高級料理店なのであろう、そういう店は金持ちとかスノッブ、貴族的なお暮らしをしているやんごとなき方々を相手に商売をしている筈。水で800円とっても誰も文句は言わんのだろう。「ウマイかどうか」なんてのは極めて主観的な判断であって客観的にどうなのかなんてことはよくわからんけれども、ともかく顧客の金持ちの皆さんは「ウマイウマイ、こういうものを食べなれない貧乏人の舌では到底理解不能でしょうが、やっぱり10万円ぐらいかけないとマトモな食事は食えないですなあ。ハハハ(想像w)」とかいって鼓腹撃壌、喜んで帰っていくのだろう。貧乏人の出る幕はない。

で、貧乏人の皆さんないしは食いものにそんなカネはかけられない人々(含むオレw)の立場にたてば、そんなスノビズムにお付き合いする必要はない。「水800円? 馬鹿じゃネ? よっぽど金が余ってて使い途に困ってんじゃNE」とかいって、そんな店は徹底的に無視すればイイのである。お互い住む世界が違うのだ。川越シェフの世界に潜入していって、「オマイラおかしい」と抗議するなんて愚の骨頂なのである。結局、お互いバカにしあっているのだから、今西錦司のいうように「棲み分け」をして両者が遭遇しなければ、無用の争いも起きなくて平和なのである。たぶん、「食べログ」とか、そういう両者の境界を無化させてしまうツールが発生したことが今回のような悲劇を生んだのであろう(笑)。

ただなぁ、それでも川越シェフが「謝っちまおうかなー」と思った理由というのもワカルような気がするのだナ。

チト話はでかくなるが、現代社会において、金儲けの基本は「市場」をゲットすることだ。世界じゅうの企業が中国政府のゴキゲンをとっている(一目置いている、といってもいいが)のも、あそこには13億人もの人間がいて、つまり巨大な市場が見込まれるから。まぁ、今ンとこ大多数の中国人は貧乏人であるが、それでも仮に13億人が1ドルの製品を買ってくれれば13億ドル、みたいなハナシで、先進諸国ではみんな「もう買いたいものがないよー」とかいってるところで、実にもう、ヨダレが出るような可能性に満ちているのが中国市場なのデアル。

反日暴動の真っ最中に、中国のAudi販売店は反日横断幕を掲げて「オレらは中国の皆さんの味方です」などと姑息なアピールをしてしまっタのだが、アレなんかも欲に目が眩んでついついやってしまったことなのであろう(もっとも、あとになって「アレは現地従業員が勝手にやったことです」とかAudiも言い訳したらしいけれども)。

やや脱線した。何をいいたいかというと、金儲け的には「不特定多数に薄利多売でガンガン売りつける」ほうが、「高い商品をひとつひとつ売っていく」のよりオイシイ、という話である。川越シェフだってそうなのだ。テレビとかでさんざん顔を売った今、高級レストランで地道に稼いでいくよりも、「川越シェフプロデュースの店」とかいってチェーン店を全国展開して、安い素材で作った安い料理を一般大衆にガンガン食わせたほうが効率は良い。あるいは「川越シェフプロデュースのパスタソース」とかいって、大手食品メーカーにガンガン売らせれば大儲け。

とまぁ、実際に川越シェフがそういう事業展開を進めているのかどうかは全然知らんが、「この知名度を生かして金儲けでもしようか」って時には、どうしてもそういう路線をとらざるを得ない。でも、そのときにターゲットにしないといけないのは・・・おっと困った、川越シェフが大嫌いな「貧乏人」じゃあないですか。さあどうしましょう? 貧乏人バカにしちゃったけど、ここで謝っておかないと「何だあの川越ってヤツ? 貧乏人をコケにしやがってよぉ。何様のつもりだYO」という印象が固まってしまっては先はない。「じゃ、不本意だけど、いちおう謝っとくか」というのが現在の状況なのではないか。

以上すべてはオレの邪推であるけれども、川越シェフがブログに書いた謝罪のコトバというのが、どうにも心に響いてこないのでそういう風に考えざるを得ない。となると、老婆心ながら川越シェフにひと言いってあげたくなるのだな。――もう貧乏人の世界とは縁を切って、バカな大衆が喜んでみているテレビに出演するのもやめて、舌の肥えた超一流のセレブの方に囲まれた世界にお戻りになったら如何ですか、って。

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