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日本人はイイカゲンである [NEWS]

確か数年前だと思うのだが、いま楽天イーグルスの監督をしている星野仙一が、新入社員の「理想の上司」アンケートで上位に入ったとかいって話題になったことがある。

星野仙一といえば、まぁ最近はどうか知らんが、何かっつーと選手に鉄拳制裁をふるった粗暴(笑)な男として名高い。しかし、どうなんだろうか、少なくともプロ野球ファンの間では「闘将」とか呼ばれて、総じていえば尊敬されてきたのではなかろうか。

それが、ここにきて例の女子柔道の暴力問題、である。スポーツであろうが何だろうが、とにかく体罰はイカン。一気にそういう空気になってきている。オレはこういうところに何か違和感を感じる。じゃあ、ほんの数年前まで「星野仙一の指導を受けたい」とか言ってた、おそらくは相当な数の人たちはどこに行ってしまったのか、不思議でならない。「いや、鉄拳制裁アリでしょ」という声がほとんど聞えてこないのは、どういうことなのか? そう、そういう人たちは今は口をつぐんでいるのである。

いや、別にオレも「スポーツの世界なら脅したり手を出したりするのはOK」と言いたいわけではない。そうではなくて、こういう風に、社会の流れとゆーか時流とゆーか、そういうものの潮目が見えてくると、突然それまで言ってたことを「撤回」してしまう人がどうしてこうも多いのか、そこが面白いと思うわけである。

まぁしかし。よく考えると、先の戦争のあとだって、多くの日本人は昨日まで「鬼畜米英。神国日本」とか叫んでた人が、今日は「アメリカ万歳。民主主義万歳」とか言い出したのだった。こういう変わり身の早さはたぶん我々の伝統(笑)なのだろう。

つまり、本当は「体罰是か非か」みたいなことはどうでも良いと思っていて、自分の信念に照らして特定の意見をもっているワケではない。ただみんなそっちに流れていくから、自分もそっちの方に流れていくわけで、それで良いし別に問題はない。おそらくみんなそんな風に考えているのだろう。

ただ、一言いっておくが、オレは別にそれが悪いとは思っていない。ひとつ譬え話をすれば、この国では理念と理念がぶつかりあって殺し合いを繰り広げるような、たとえば宗教戦争のようなものはほとんどなかった(仏教受容の際に内乱めいたものがあったという話はあるけれども)。「オレの理念は譲れん」といって徹底的に戦うというのは格好イイような気もするが、ある程度のところでなれ合ってナアナアでまとめるというのは人生の知恵といえば言えるのかもしれない。

結論としていえること。日本人というのは実にイイカゲンな国民である。良いこととは思えんが、さりとて悪いとも言い切れないのがつらいところ。

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