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女子柔道の園田隆二監督は悪者か [NEWS]

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さて、女子柔道の監督が、「監督に暴力をふるわれたッ」といって選手たちから訴えられた一件が話題になっておる。

なんか、ここンとこ「スポーツの指導だからって体罰振るっちゃマズイでしょ」という世論が盛り上がりつつあって、これなんかもそのトレンドに棹さすエピソードだと思うのだが、生来のヘソマガリなので、ここは敢えて「そんなにマズイことなのかネ」と主張してみたい。

まず今回の一件で気になるのは、選手たちが「おおそれながら・・・」といって訴え出たのが昨年9月だったという点である。つまりロンドン五輪のあと。もちろん彼女たちにも釈然としない思いはずっとあったんだろうが、しかし五輪の後までは堪え忍んだ。これはどういうことかというと、ま、五輪を前に内紛めいた話が浮上するとまずかろうというオトナの分別を働かせたという面はあるんだろうが、ともかく五輪が終わるのを待ったというところには微妙な心理のアヤがあったように思われる。

以下はオレの推測になるんで反論もあると思うのだが、そこではたぶん、選手たちのこころの中にこういう意識が働いていたんではないか――あのバカ監督のヤロー、さんざん殴りやがって・・・ホントにアイツについてったら、あたいら勝てるのか? うー、わからんなぁ。でもああいうシゴキに耐えてきたんだし、やっぱ勝てるような気もするんだ。とにかく五輪だ五輪、ガンバロー!

ところが五輪が終わってみれば、女子柔道は全然ダメ。結果は残せなかった。選手たちの憤懣はつのったことだろうよ。「くそー、アイツのこと信じてここまでついてきたのに、全然通用しなかったじゃねーかヨ。殴られ損かよ! クソー、腹立った、訴えてやる~」みたいな。

まぁかなり憶測が入っている。しかし、オレには前から思っていたことがあって、たとえば女子のマラソンの小出監督と教え子たちなんかが典型的なんだが、スポーツの女子選手というのは「コーチを100パーセント信じてついていく」みたいな一種の信仰めいた世界というか、ほとんど擬似恋愛みたいな世界をくぐりぬけないと能力を発揮できないところがあるンではないか? もちろん「女子に手を挙げるのは如何なものか」という「良識」も一方にはあるんだろうが、逆のベクトルで「シゴキもコーチの情熱の一部だ」という言い訳が許される素地も用意されているんではないか。

で、最終的に結果がでれば、このコーチに対する信仰あるいは擬似恋愛は「よかったよかった」で大団円。でも一歩裏目に出れば、ふと正気に返って「あれ、あたいたちってば騙されてたのと違う?」という話にもなりかねない。これまではそういう意味でさほど破綻のなかった女子柔道ではあったが、今回、みごとにこの後者のパターンにはまってしまったのではないか。これがオレの仮説である。

以下、そういう仮説の上での話である。勝てば官軍、負ければ地獄。確かに結果を出せなかったのではあるが、だからといって遡及的に過去の「厳しい指導」が「ありゃまずかったよネ」と否定されるのはフェアでないンではないか。だって、そのシゴキが行われていた時点では、「これは絶対マズイ!」みたいな問題意識は関係者一同、全然共有してなかったわけでしょ? 少なくとも、「ま、スポーツにはこれぐらいのシゴキがあっても仕方ないかもネ」あたりがコンセンサスだったわけで。

さらにヘソマガリなことを言わせてもらうのなら、桑田真澄あたりが「シゴキでは一流選手は生まれない」みたいな正論をいってココんとこ喝采を浴びているようなんだが、オレの認識では、超一流のアスリートのほとんどは野生の動物に近い存在であって、ムチを入れれば反射的にパワーを発揮する生き物である。理性とか悟性による指導は、まぁ並みの選手には通用しても、こういう超一流の素材には通用しないと思ったほうがよかろう。桑田なぞはなまじ頭が回るものだからああいう正論を語ってしまったのだが、プロ野球の中でも桑田みたいなヤツは例外と考えたほうが良い。

ことほど左様に、一流アスリートの連中というのは我々のツマラン常識でははかれない化け物なのでアル。いつも言っていることだが(ってそんな熱心な読者はいねーヨと自ら突っ込んでおくw)、そういう世界にクビを突っ込んで常人のジョーシキを振り回すのは愚かなことである。

とゆーわけで、全柔連あたりが今回の件で「まぁそんなに致命的なことじゃねーだロ」的なリアクションをみせているとゆーのも、そこにはそれ相応の暗黙知とゆーか、ロジックがあるはずなのだ。もっとも柔道界のエライ方々にしてみれば、「柔道選手はキホン筋肉バカなので、そういう理屈では動かンのです」みたいにぶっちゃけた話をするわけにもイカンのだろう。苦しいお立場であろうと同情申し上げる(笑)。

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