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教育再生実行会議に教育学者が一人もいない件について [NEWS]

安倍首相は「日本の教育を何とかしたいッ」という思いが強いらしく、「教育再生実行会議」なるものを立ち上げたのだという。その初会合が今朝の新聞で報じられているんだが、ここに登場する有識者メンバー15人のなかには、実は教育学者がひとりもいない。

まぁ曽野綾子とか、ガチガチの保守論客(笑)みたいなのはいっぱい入っているので、こういうところは、いぜんの安倍政権が「おともだち内閣」と揶揄されたことへの反省はあんまりないようだ。

で、話をもとに戻すけれども、うむ、こういう場に教育学者が呼ばれないというのは、ひとつには教育問題の特殊性が一役買っているのだろう。

たとえば「集団的自衛権についてのあなたのお考えは?」とか聞かれて、滔々と弁じ立てることのできる人間は、たぶん日本国民の1パーセントもおるまい。ところが「いまの教育についてどうお考えですか?」とか聞いたら、100人が100人、それっぽいことを語れるだろう。そう、誰だって学校には行ったことがあるから、誰だって実体験に即した何らかの思いというものはある。バカでもチョンでも教育には一家言ある、という風にいえるのかもしれない。

しかしなぁ、だからといって、こういう問題にかんしては専門家は要らない、というところまで行ってしまうのはどうか。功成り名を遂げた経営者とかが「そもそも教育とは」みたいに語ったって、そりゃバイアスが相当かかっているのは明らかなんで、やはり客観的に全体を見通すことのできる専門家はいなきゃならんだろう。

そういえば読売新聞などはこの年頭に「甦れNIPPON」なる企画を打っておったが、 たしか「プロ軽視の大衆社会」とかいって、専門家の知見を大衆がバカにするポピュリズムめいた風潮に警鐘をならしておった。そういう視点からいうと、今回の教育再生実行会議の有識者の顔ぶれというのは、ホントまさにそういう風潮の象徴といえるんではないか。読売でなくてもよいから、「さすがにこういう会議はマズイんじゃネ?」的な議論を提起していただきたいものである。
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