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神様をダシにつかった天声人語 [朝日新聞を嗤ふ]

けさの天声人語は、敦賀原発の直下に活断層があるらしいという話をしていて、その最後をこんな風に締めくくっている。

原発づくりは、地上のなんだかんだに精力を費やすせいか、地中への目配りが十分でなかったようだ。足元の怪しい施設は一つ二つにとどまらず、今さらながら、地震列島に原発大国を築いたことが悔やまれる。国土を守る、大地主神の渋面を思う。


この最後にでてくる大地主神(おおとこぬしのかみ)というのがいかにも唐突である。聞いたことがないぞ。これは。で、何なんだろうと思って調べてみると、もともとは「古語拾遺」に出てくる田畑をつかさどる神なのだという。そこから転じて、いつしか大地の神と理解されるようになったらしく、地鎮祭であげる祝詞などは、地域の氏神なんかと並んでこの神様に捧げられているんだそうだ。

ふーむ、さすが天声人語、教養を感じさせる・・・などと褒めてあげるかとおもえば大間違いだぞコラ。

神道業界以外の人はほとんど知らんであろう大地主神なんてものを持ち出してしまったのは、万人にすんなり読んで頂かねばならぬこういうコラムとしては大失敗である。オレが推察するに、この知名度の低い神様を登場させるに至った経緯は次のようなものだったんではないか。

「反原発ネタでも書いてみっか。ふむ、地鎮祭なんて行事もあるぐらいだから、土地のカミサマも怒ってるゾ、みたいな展開がいいかもなー。でもなぁ、地域の氏神サマもお怒りであろう、なんて書いてもイマイチ迫力ないしなー。なんか大地のカミサマみたいなのいなかったっけ? ネットで調べてみようかなあ・・・どれどれ・・・あ、大地主神っつーのがいいんじゃネ? この大地の神様もお怒りだゾ、こういうシメでいこう」

本当にこんな感じだったかどうかはわからんが、そういう「とってつけた感」を感じさせてしまった時点で、けさの天声人語はダメである。

どうしても「日本の神様もお怒りだ」という話にもってきたかったのなら、大地主神なんかじゃなくて、やはり誰でも知っている天照大神で話を落とすような工夫をすべきであった(笑)。

あるいはイザナミが産み落とした火神カグツチをもってくる手もあったかもしれないぞ。ご承知のように、イザナミはこの火の神を産んだときにヤケドを負って死んでしまったわけで、つまり、ある意味では「文明の火=原子力」の原罪性みたいなものを仮託するには格好の存在である(ちょっと脱線すれば、このカグツチ、怒ったイザナギに斬り殺されるんだが、その死体からまた違うカミが生成したりするのが流石日本神話の深いところである)。

閑話休題。まぁ、「クリスマスはバカ騒ぎして飲み食いした日」と書きつづっていた天声人語子に、そんなハイレベルの芸当を求めるのはとうてい無理か(笑)。


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