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映画「電車男」レビュー [Nice]

観客動員100万人突破の映画「電車男」、ようやく観て参りました。感想は、制作スタッフはさすがプロ、動きの乏しい話をいろいろカバーする手練手管を駆使してけっこううまいこと見せるな~、ってとこですね。で、いろいろ思ったことを以下に。

▼山田孝之君について
電車を演じる山田孝之ですが、しゃべり方とか服の着こなしとか、オタクっぽい雰囲気を醸し出してて「おぉ実はけっこうウマイ役者なんだ!」と見直しました。ただなー、やっぱり「いい男」過ぎるんだよなー。この議論はずっとネットをにぎわせてるようだけれども、改めて蒸し返してみたいンですわ!
思うにこれ、よく青春ドラマでみかけるインチキ臭さに通ずると言ってもいいですな。例えば、牛乳瓶の底みたいなメガネかけてて日頃「ダサー」とか見下されてる女の子がたまたまメガネをとったら、なんと実は美少女と判明、このことに気づいた男の子が胸をときめかす――みたいなパターンよくあるでしょ?(最近はそんなの無いのかな?よく知らんが)。「オイオイ、容姿端麗な美少女なんてものは、分厚いメガネなんかかけてたって光り輝いてるにきまってるだろ」と突っ込みを入れたくなるわけです。
これと同じで、山田孝之がいかに野暮ったい格好してても、よくみりゃ相当かっこいいってのは明らかですワ(まして髪切ってこざっぱりしたあとの展開を考えればネ)。

▼とはいいながら…
もっとも例えば絵にかいたようなオタクということで宅八郎を主人公に起用したら(年齢的に無理という話はおいといて)、観客引きまくり、幾らエルメスタンでも相手にせんだろ、という話になるのが必至。商業映画としては、やっぱりそこそこメジャーな役者を主人公にしたいところでもあるし、仕方ないといえばそうなのだけれど、ただな~、我々が「電車男」のストーリーに感動したのは、さえない自分の身代わりとして彼に感情移入できたからでありますから、しつこいようではあるけれど、やっぱり山田孝之はないだろ、という思いはスクリーンを眺めててずっとありましたね…。
そういうイミでは、テレビ版で電車男やるチビノリダーこと伊藤淳史君にそう違和感はないのですが、どっちかっつーと人なつっこそうなイメージもあるし、果たしてオタクになりきれるのか、見物ではあります。

▼助演陣について
こう考えてくると、それでも話を面白くみせたのは電車男をネットで励ました助演陣の功績といってもいいでしょう。佐々木蔵之介、木村多江といったあたりは前々から味のある俳優とにらんでおったのですが、感動というものから縁遠くなってしまった30代あたりの人間を演じて今回もウマイ。オタク3人組は「こいつら何者? けっこういい年じゃないのか? 何やって食ってんの?」的な突っ込みは可能ですが、いつも真ん中に立ってる三宅弘城なんか流石に達者だし、まあ「笑かし役」と割り切って素直に笑ってればよろしい。そう、オリジナルの電車男だって「フィクション疑惑」とかいろいろあるにせよ、「作り物であってもいい、アレはディスプレイの前で電車を見守り励まし、同時に励まされた無数のオレタチの物語なんだ」という見方ができるわけです、じっさいオレもそう思ってるし。ちなみに中谷美紀タンが優しいエルメスお姉タンを十全に演じきっているのは予想通り、といったところ。

▼告白の場面
あと、オリジナル版と大きく異なるのは電車男が告白にいたる場面ですが、ちょっとドラマチック風な脚色がされている。淡々とした話でもいいんじゃないかとは思いましたが、まあでも盛り上がる個所を作るというのは映画的には当たり前だし、こんなもんかな、といった感じですね。とにもかくにも予想以上のできばえで、たいへん結構でございました。


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