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JR事故をとりまく空気 [NEWS]

JR福知山線の列車脱線事故にかんするニュースが、ここのところずっとメディアをにぎわせてますな。最近ではJR西日本の社員バッシングが一つのトレンドみたいになっているようです。「当日この列車に乗り合わせていたJR西日本の社員がいたのに救助活動を手伝わなかった。けしからん」というのがその典型で、「社員連中がその日に宴会してた」「ボーリングしてた」「不謹慎だ」、こういう言説が大量に流布しとるわけです。

でも、こういう流れにワシなんかはちょっと違和感をもつわけです。そりゃ、自分の会社が大事故起こして100人からの人が死んでる、っちゅうのはえらいことです。こりゃ世間様にむけて「真摯に反省しております」のポーズをとるのが大人の対応、というのはわかりますよ。でも、なんかそうやって「JR西日本の社員総ザンゲ」を強制するのは「連帯責任! 右の頬を出せ~」「ビシッ、ビシッ、ビシッ」みたいなもんでしょ。昭和天皇が死んだあともテレビ局が娯楽番組を「自粛する」みたいな妙な出来事があったけれど、何か今回の騒ぎと似ているような気がする。もうそういう時代じゃないと思うわけです。

会社が終身雇用で社員を一生守ってくれる(と思われていた)時代ならともかく、今は、サラリーマンであればいつ誰がリストラという名の首切りを食らってもおかしくない時代ですよ。会社員としての自分なんて、ホントの自分のごく一部、みたいなクールな感覚がむしろ当たり前になりつつある。ましてデカい会社ともなれば、見も知らぬ「同僚」なんてごまんといる。今回の事故だって、JRの社員たちもホンネのところじゃ「どこのどいつかよう知らんけど、えらいヘタうちよったな~」ぐらいの実感しかもてないんじゃないか。

「同僚の不始末は他人事でない、こいつは謝っても謝りきれん」と感じてしまうような古き良き日本人の感性をほとんどの人が共有していた時代であったなら、「連帯責任、頬を出せ~」もみんな疑問に思わなかったと思うんですわ。でも時代はもう徹底的に変わってしまったんじゃないか。そういう「連帯責任追及」みたいな問題の提示の仕方は、なんか徹底的に不毛なもののような気がする。

もっといえば、中曽根民活路線で旧国鉄がJRに組み替えられた時点で、「鉄道だって経済合理性だいじだよ」という主張が正論になってしまっていた。国鉄民営化っていうのは、いってみれば近年の政府の新自由主義路線、「狼生きろ豚は死ね」路線を先取りするものだったわけでしょ。「安全第一っていうけどよー、年々仕事きつくしといて、よくいえるよなー」みたいなセリフが現場の鉄道マンの胸中にないのかどうか。バッシングもいいかげんに、と言いたいです。


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